自閉症児(者)のためのフリークライミング
自閉症児(者)のためのフリークライミング
自閉症児(者)のフリークライミングについて・・・(02.6月作成・・ジムから配布する為に)
フリークライミングは、特別な道具を使わずに身体を使って、壁を登るというシンプルなスポーツです。また、各々のレベルに合わせて壁やレッスンを選択できます。
このフリークライミングは、バランス感覚に優れ、高いところが好きで、道具を使う事が苦手な自閉症児(者)には、まさにぴったりなスポーツといえるでしょう。
しかし、フリークライミングはきちんとしたルールやマナーを守らなければ、思わぬ事故に会う危険なスポーツです。(自分ひとりだけではなく、他者を巻き込みます。)
これは、障害があってもなくても同じです。
普通は、このルール、マナーをきちんと守るという暗黙の了解の上にクライミングを始めます。
では、ルール、マナーを守る事が苦手な自閉症児(者)の場合は・・・・同じ事です。
まず、フリークライミングを始める前に、子供がこのルールをきちんと守る事ができる社会性をもっているか考えましょう。
***** この社会性の目安として *****
1・日常生活において、飛び出しや突然の走り出しがないか?
2・もし、あったとしても「だめです!!」・・という、口答の指示で走り出しや飛び出しを止める事ができるか?(後を追いかけて止める・・という事ではだめです。少し走りそうになっても、自分で止めて指示を出した人の所に帰ってくるという事です。)
3・大好きなブランコやトランポリンを目の前にして、許可がでるまで5分間座って待つ事ができますか?(ハーネスやロープはブランコの様だし、安全マットはトランポリンのように弾むからです。このマットは安全対策なので、当然トランポリンのような使用方法はできません。)
←安全マット
この三点が、一応の目安です。
クライミングを始める前に、もう一度、お子さんの状態を考えてください。
この三点を、守る事ができますか?
守る事ができるようになってから、クライミングを始めましょう!!
*** クライミングをする為に絶対守らなければならないルールとは ***
1・クライミングをしている人の下にいてはいけない。
(クライミングしている人は気づかないので、スタンバイ状態側が配慮する。)
2・クライミング中のロープなど、装具や道具に触らない。
3・危険防止のためにも、壁一面に対して、クライマーは一人とする。
(自分の順番が来るまで座って、安全な場所で待つ。)
***** 上記の三点を守るためには *****
⇔
⇔ 
リードウォールエリア(1F)
まず、このエリアは同じフロアーに違った壁が向かい合う形で隣接しています。
自分が行っている壁だけではなく、隣の壁のクライマーにも注意しなくはなりません。
そのために、待つ場所を黒のマットや赤のフロアー以外に決めましょう。
子供によりわかりやすくする為に、自転車用の座布団などを持ってきて、所定の位置に置くと
良いでしょう。
お勧め場所は、写真奥の壁際(マットと赤のフロアーの接点)か出入り口付近の階段の角
(ゴミ箱の前になります。)
待つ事が苦手な場合は、待つ時間の時間調整をしましょう!!(スタッフと話し合ってください)
クライミング以外は、必ず座って待つことを習慣づけましょう!!
待てないようなら,帰るぐらいの覚悟で・・・・!!
あと、入ってはいけないエリアをはっきりさせる為に、子供に応じて×マークカードを作り、子
供にわかるように置きましょう!!(原則、親が準備しましょう。)
上記写真の左側のマットは、安全のためです。
決して、トランポリンではありません。一回でも、トランポリンとして許してしまうと黒のマ
ットを見るだけで飛び跳ねてしまいます。
また、マットで飛び跳ねたい為に、黒のマットに向かって走り出してしまいます。
その様な行動を未然に防ぐ為にも、初めが肝心です!!
絶対に、黒のマットで飛び跳ねさせないようにしましょう!!もし、飛び跳ねてしまったら、
きちんと注意しましょう。(怖いくらいに、表情,声にメリハリをつけて・・・)
次に・・・・
← ボルダーエリア(2F) → 
写真(A) 写真(B)
写真(A)のエリアは限られていて自閉症児には解りやすい壁です。
このエリアの待つ位置は、写真一番奥がお勧めです。
手前でも良いのですが、手前は写真(B)と接しています。写真(B)のエリアの下には黒の
安全マットが敷き詰めてあります。マットを飛び跳ねたい子供の場合は、このポイントは止めた
方が良いでしょう。座って待つことができなくなります。
写真(B)のエリアは横に広がっています。
クライマー同士がお互いに、安全に留意しながらクライミングを楽しみます。
このエリアは,前に述べたように安全のための黒のマットが敷き詰めてあります。
きちんと指示に従う事が難しい子供は立ち入らないようにしましょう。
待つ場所の明確化や×カードの利用、黒マットに関する注意点は前記と同じです。
***** クライミングジムにおけるエチケット *****
1・スタッフの指示に従う。
2・スタッフ出入り口に入らない!!
(店内ルールを守る!!)
← スタッフ出入り口 →
3・クライミングジムの他に、クライミング&アウトドア商品の展示、販売も行っています。
商品には触らないようにしましょう!!また、触らせないようにしましょう!!
以上の事に留意しながら、クライミングを楽しみましょう!!
まずは、クライミングを楽しむよりも、ルール、エチケットの確立を優先にしましょう。
それが、将来余暇の確立につながります。
***** 自閉症児(者)クライミングのワンポイント *****
いくら高いところが好きでバランス感覚に優れていても、クライミングの意味や目的を理解して
いなければプログラムが進みません。
そこで、視覚優位の特性を生かして目標を作りましょう。
子供のお気に入りの玩具や子供に目印として判りやすい道具を、目標の石に置いておき、子供に
とってこさせましょう。
(そのために、目印は石に載りやすい、または、貼り付けやすい物にしましょう!!)
サスペンダーやひもはお勧めです。また、ブロックや人形にする場合は、必ずテープを付けて石
に貼り付けやすくしましょう。
また、視野が中々広がらない場合は、目標を二つ準備しましょう。
広げたい視野の方向と高さに、それぞれの目標を設定しましょう!!
(設定場所は、スタッフの方と相談しましょう!!)
そうすることで、目標までのルート選択の力が付きます。
それでも、まだ、なかなか、怖がってトライできない場合は・・・
まずは、大好きなブランコ効果を活用しましょう。
ハーネスを付けて、ロープで宙吊り。(宙吊りの高さは、各々に合わせましょう)
慣れてきたら、宙吊りから壁のキックを教えましょう!!
次に、このブランコ効果を、目標が取れた時のご褒美にしましょう。
そうして、目標を取ってくる事に慣れさせましょう。
この時、いつまでも、長く、子供の気が済むまで、ブランコ状態を続けてはいけません。
少しずつ、ブランコの回数を減らしていく事を心がけてください。
ブランコ効果は、絶対であると同時に、ブランコに対するこだわりを強くしてしまい肝心のク
ライミングをしなくなります。
ここには、ブランコをしにきたのではなく、クライミングの為に来ているという事を念頭におい
てください。
まずは、親子一緒にクライミングをやってみましょう!!
何が楽しいのか?なぜ、登れないのか?何が辛いのか?・・・子供の心の声が聞こえてきます!!
きちんとルール、エチケットを守りながら、みんなで一緒にクライミングを楽しみましょう!!