Days in the UK 〜あたしの見たイギリス〜

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イギリス風物録

セント・ヴァレンタインズ・デイ(St Valentine's Day

†ショートカット・リンク:起源 | イギリスの現状 | カードに秘密あり | ウェイルズ版バレンタイン・デー

起源

皆さん! 毎年のバレンタイン・デーはいかがお過ごしですか?

女性にとっては、あるいは勝負の時でしょうし、あるいは七面倒臭い年中行事でしょう。男性にとっては、うきうきそわそわ、といったトコロなのでしょうか。

バレンタイン・デーは、正式には副題にも掲げている通り、St Valentine's Day(セント・ヴァレンタインズ・デイ。聖ウァレンティヌスの日)と言います。語源になっている Valentinus(ウァレンティヌス)は、西暦269年2月14日に殉職した、イタリアのテルニーの主教だった人物だと言われてはいますが、その実在については大いに疑問視されており、実在を証明できる決定的な証拠はないのだそうです。かつてはカトリック教会で聖者とされてましたが、現在では聖人暦からも除外されてます。

一方、セント・ヴァレンタインズ・デイそもそもの起源は、古代ローマ時代にまで遡(さかのぼ)るらしいです。ローマ神話に登場する豊饒(ほうじょう)の神 Lupercus(ルペルクス〈ラテン語〉)を祭った Lupercālia(ルペルカーリア〈ラテン語〉。ルペルカリア)という豊饒祈願祭が毎年2月15日に催されていたことに端を発するのだそうです。でも、なぜこれが現在のセント・ヴァレンタインズ・デイに繋がるのかは、どうもよく分かりません。興味がおありのようでしたら、調べてみて下さい。σ( ̄∇ ̄;) あはー

イギリスの現状

さて、閑話休題。日本では、この日は女性が意中の男性にチョコレートを贈って思いを伝える日とされていますよね。まあ、近年ではお義理で上司や友人などにチョコレートを渡したり、この時期にしか出回らないような高級チョコレートを女性同士で贈り合ったり、といったことも多くありますが。とにかく、基本的には女性から男性へチョコレートを贈るという風習です。

ところがイギリスでは、日本とはかなり違った風習が行われています。

まずは贈る相手ですが、イギリスでは、女性から男性へだけでなく、男性から女性へも贈り物をします。性別に関係なく、意中の相手に思いを伝える日なんですね。ですから、例えば夫婦でお互いに贈り合うなんてことも、当たり前なんです。

次に、贈るものですが、日本とは違い、実に様々なものが選ばれています。ですが、とりあえずチョコレートのお話を。と言うのも、チョコレートを贈るのは日本だけだと思われがちですが、実はイギリスでもセント・ヴァレンタインズ・デイの贈り物として非常に人気があるからなのです☆

A valentine cake  (c)FreeFoto.com
ヴァレンタインのケーキ

日本でチョコレートを贈るようになったのは、元々お菓子屋さんが販売促進を狙った宣伝によるものですね。具体的にどこのお店かは諸説あって特定困難なようですが、まぁ複数のお菓子屋さんの宣伝による相乗効果だったんでしょう。

イギリスでも経緯は似たようなもので、Cadbury(キャドバリー。現在の社名は Cadbury-Schweppes plc.(キャドバリー・シュウェップス plc.))が、19世紀後半、ハート型の箱に入ったチョコレートの詰め合わせをこの日のために発売して、好評を得たのだそうです。これが次第にチョコレートを贈るという風習として定着していったようです。

チョコレートの他には、ケーキ・花束・書籍・服飾品・宝飾品などが贈り物として好まれています。ですが、贈り物には特にこれと言った決まりはなく、相手に合わせて贈り合っています。

要は相手の気を惹(ひ)きたいワケですから、何なら手料理だって構わないんですよね。でも、イギリスでは直接面と向かっては渡せない事情があるので、夫婦や恋人とかでもない限り、この手は使えないんですケドね。……なぜ直接は渡せないのか? 理由は後述!

カードに秘密あり

イギリスで記念日・贈り物と言えば、絶対に忘れてはならないのが、カードです。イギリスでは、何でもかんでも、ことあるごとにカードを贈りまくるのです! そして、実はこのカードにこそ、イギリスにおけるセント・ヴァレンタインズ・デイの醍醐味(だいごみ)があるのです。

この日贈るカードは valentine card(ヴァレンタイン・カード)と呼ばれ、大抵こんなことが書かれます。

……最後の「秘かに」ってトコロに引っ掛かるものを感じた貴方は鋭い! そう、ヴァレンタイン・カードには、決して贈り主の名を記さないのがイギリスの常識なのです。贈られた人は、「一体誰が贈ってくれたのかしら?」と、どきどきしながら犯人探し(?)をするのです。「何で自分の名前を書かないの? 書いちゃえば話が早いじゃない?」なーんて野暮なコト言っちゃいけません。そこが、奥ゆかしいトコロでもあり、歯がゆいトコロでもあるワケです♪

それでも、例えば結婚しているのであれば、贈り主はまず間違いなく妻もしくは夫でしょうし、恋人がいるのであれば、そのお相手でしょう。問題は、配偶者や恋人以外から贈られている場合です。もーねぇ、「誰なの? あたしのコトを慕ってくれている人って!?」って感じで、その日から会う人会う人すべて怪しく見えてしまって、どきどきなのですよ☆ 中には自分こそ秘密の贈り主だと臭わせてくる人なんかも居たり、「俺に贈ってくれた奴ってだれだ? お前か?」なんて直截的(ちょくせつてき)に訊(き)き回る人も居たりと、あちこちで浮ついた雰囲気が漂うのです。これぞ、この時期ならではのイギリスの風物と言っても過言ではないでしょう☆

前述した「直接は渡せない」という理由が、実はこの匿名であることにあるのです。だって、カードには名前を記していないのに、直接会って「これ、受け取って下さい! (≧∇≦*) きゃっ」なーんてやっちゃったら、意味ないでしょ? 夫婦や恋人ならば、直接渡しちゃうこともままあるようですが、普通はどうにか工夫してこっそり渡しているのです。

日本式に直接手渡し方式だったら、「ツンデレ」とか「意地っ張り」とかのキャラによる、どきどき恥じらい全開の萌えシチュエーションなんですケドねー。イギリス式だと、恋愛シミュレーションの名シーンにはしにくいですよね。……一部にヲタク的な発言があったことをお詫び致します(笑)。

ウェイルズ版バレンタイン・デー

最後に、ウェイルズでの風習にも軽く触れておきましょう。イギリスでも、地域によっては多少違う風習が行われていますが、その最たる地域がウェイルズです。

こちらでは、1月25日が、ウェイルズ語(カムリ語)で Dydd Santes Dwynwen(ディズ・サンテス・ドゥィンウェン)と呼ばれています。英語名は St Dwynwen's Day(セント・ドゥィンウェンズ・デイ。聖ドゥィンウェンの日)。2月14日より随分と早いのですが、この日がセント・ヴァレンタインズ・デイと同様に、もしくは代わりとして行われています。

語源のドゥィンウェンは、ウェイルズで恋人たちの守護聖人とされている人物です。

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